家具や家電を壁際に置くとき、壁のコンセントに挿した電源プラグが前へ大きく飛び出し、邪魔になることがあります。電源タップやL型変換プラグで向きを変える方法もありますが、住宅設備として取り付けるコンセントそのものの形状や配置を工夫する方法もあります。
ただし、壁に固定されているコンセントは住宅の電気配線につながる配線器具です。単純に部品を買って交換すればよいものではなく、工事内容によっては電気工事士の資格が必要になります。ここでは、90度方向に配線しやすい壁コンセントの考え方や代替方法、安全面で確認しておきたいポイントを解説します。
壁コンセント自体を90度方向にする方法はある?
一般住宅でよく見るコンセントは、壁面と平行なプレートに差込口が設けられ、プラグを壁に対して垂直方向へ差し込む構造です。一方、設備や設置場所によっては、差込口の向きやコンセントの設置面そのものを変えることで、コードを横方向や下方向へ逃がしやすくする施工も可能です。
例えば、壁のくぼみや造作部分の側面にコンセントを設置すれば、プラグを差し込む方向そのものを通常の壁コンセントから90度変えることができます。これはプラグを曲げるのではなく、コンセントを取り付ける面の向きを変える考え方です。
ただし、一般的な壁面に取り付けるコンセントで、差込口だけが蝶番のように90度曲がる製品が標準的というわけではありません。求めている構造によって、横向き施工、家具用コンセント、埋込型、露出型、L型プラグなどから適切な方法を選ぶことになります。
「90度曲げたい」の目的によって適した方法が違う
重要なのは、なぜ90度にしたいのかを整理することです。プラグの出っ張りを減らしたい場合と、コードを横方向へ出したい場合では適切な方法が異なります。
| 目的 | 考えられる方法 |
|---|---|
| 家具を壁ギリギリまで寄せたい | L型・薄型プラグ、埋込型などを検討 |
| コードを横へ出したい | L型プラグ、横方向に設けたコンセントなどを検討 |
| コンセント自体の設置方向を変えたい | 造作や配線工事を含めて電気工事店へ相談 |
| 壁を工事したくない | L型変換プラグや薄型電源タップを検討 |
例えばテレビ台の裏で通常のプラグが5cmほど前へ張り出してしまうケースなら、壁コンセントを工事するより、薄型のL型プラグを使ったほうが簡単な場合があります。一方、新築やリフォームで家具の位置が決まっているなら、最初からコンセントの位置や向きを設計する方法もあります。
壁コンセントの「向き」とプラグの「向き」は別に考える
検索するときに混同しやすいのが、コンセントとプラグです。「L型コンセント」と検索しても、実際には電源コード側のL型プラグやL型変換アダプターが多く表示されることがあります。
壁に固定されている側は一般にコンセント(差込口)、家電やコード側に付いている差し込む部分はプラグです。壁側そのものを変更したい場合は、「埋込コンセント」「家具用コンセント」「露出コンセント」「コンセント 配置 横向き」などの言葉も含めて探すと目的に近い製品や施工例を見つけやすくなります。
また、単純にプレートを90度回転させても、プラグが壁から突き出す方向は変わりません。壁から横へ差し込めるようにしたいのであれば、差込口を設置する面自体が壁面に対して90度になっている構造が必要です。
家具を壁際まで寄せたいなら薄型プラグも有力
目的が「壁と家具の隙間を小さくしたい」だけなら、壁側を工事しない方法から検討すると合理的です。プラグ部分が90度曲がったL型プラグや、壁からの突出量を抑えた薄型プラグがあります。
例えば冷蔵庫、テレビ台、デスク、棚などの裏側では、通常のストレートプラグだとコードの根元を含めて一定の空間が必要になります。L型ならコードを壁に沿わせやすくなり、家具でコードを強く押しつぶしてしまうリスクも減らしやすくなります。
ただし、L型変換プラグを使えば必ず安全というわけではありません。定格電流・定格電圧を確認し、使用する家電の消費電力に適した製品を選ぶ必要があります。大型家電については、メーカーが延長コードや変換アダプターを使用しないよう指定している場合もあるため、取扱説明書を優先してください。
壁コンセントの交換や移設は自分で行わない
壁のコンセントを外して別の器具へ交換したり、配線を変更して新しい位置へ移設したりする作業は、感電や火災につながる可能性があります。日本では、住宅の固定配線に関係する電気工事には原則として電気工事士の資格が必要です。
ブレーカーを切れば無資格でも自由にコンセントを交換できる、というものではありません。希望する向きの製品が見つかった場合でも、壁内配線を伴う設置については電気工事店などの有資格者へ相談するのが安全です。
相談するときは、「コンセントを90度にしたい」だけでなく、「家具を壁から2cm程度まで近づけたい」「コードを右方向へ出したい」など、最終的に実現したい状態を伝えると適切な施工方法を提案してもらいやすくなります。
既存住宅なら無理に壁側を変更しない選択肢もある
既存の住宅では、壁の内部に柱や断熱材があったり、コンセントボックスの位置が決まっていたりするため、希望する向きへ簡単に変更できるとは限りません。わずかな出っ張りを解消する目的だけで壁内配線まで変更すると、費用や工事規模が大きくなることもあります。
そのため、まずは薄型プラグ付きの電源コード、L型プラグ、家具用の配線スペースなどで解決できないか確認し、それでは対応できない場合に壁側の工事を検討する順番が現実的です。
新築やリフォーム中であれば事情は異なります。テレビボード、冷蔵庫、デスクなどの位置をあらかじめ決め、家具と干渉しにくい場所や向きにコンセントを設計してもらうことで、後付けの変換部品を減らせます。
まとめ:90度にしたい理由からコンセントの方法を選ぼう
壁についているコンセントについても、設置面や施工方法を工夫してプラグの差し込み方向を変えることは可能です。ただし、一般的な壁コンセントそのものが自由に90度折れ曲がるというより、コンセントの設置場所・設置面を変える方法や、用途に合った配線器具を選ぶ方法として考えるほうが正確です。
単にコードを壁沿いに出したい、家具を壁へ近づけたいという目的なら、L型・薄型プラグで解決できる可能性があります。反対に、壁側から差し込み方向そのものを90度変えたい場合は、造作やコンセントの移設を含めて電気工事店へ相談すると確実です。
コンセント周辺は発熱や感電、火災に関係する部分でもあります。見た目や省スペース性だけで判断せず、使用する家電の消費電力やメーカーの注意事項も確認しながら、安全性を優先して方法を選びましょう。


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