Enderシリーズなどの3Dプリンターでは、印刷開始時にノズルとベッドの距離が適切でないと、フィラメントが定着せず失敗することがあります。特にレベリングを行ったにもかかわらず、印刷時だけノズルが高い位置になってしまう場合は、単純なベッド調整以外の原因が隠れている可能性があります。
この記事では、Enderシリーズでフィラメントが出る位置が高くなる原因や、レベリング後も改善しない場合に確認すべき設定・機械的なポイントについて詳しく解説します。
3Dプリンターでノズルが高い位置になる主な原因
3Dプリンターでは、ノズルと印刷ベッドの距離が非常に重要です。1層目の高さが合っていないと、フィラメントがベッドに押し付けられず、線状に浮いたり剥がれたりする原因になります。
レベリングをしたのに印刷時だけノズルが高く感じる場合、以下のような原因が考えられます。
- Zオフセットの設定がずれている
- オートレベリング設定が正しく反映されていない
- スライサー側の初期レイヤー設定が高い
- ベッドやノズルの位置が機械的にずれている
- Z軸の動作に問題がある
まず確認したいZオフセットの設定
Enderシリーズで特に多い原因がZオフセットの設定です。Zオフセットとは、ホーム位置からノズルをどれだけ上下に補正するかを決める設定です。
例えば、レベリング時にはノズルが適切な高さでも、Zオフセットがプラス方向に設定されていると、印刷開始時にノズルがベッドから離れてしまいます。
改善する場合は、プリンターの設定メニューからZオフセットを確認し、少しずつマイナス方向へ調整します。一度に大きく変更するとノズルがベッドへ接触する可能性があるため、0.05mm単位などで調整すると安全です。
レベリング後に保存設定を確認する
Enderシリーズでは、手動レベリングやオートレベリングを行った後、設定を保存しないと調整内容が反映されない場合があります。
例えば、ベッドの高さを調整した後に電源を切ると、補正値がリセットされてしまい、次回印刷時に再びノズルが高くなることがあります。
レベリング後は、メニュー内の「Save Settings」や「Store Configuration」などの項目から設定保存を行い、再起動後も設定が維持されているか確認しましょう。
スライサー側の初期レイヤー設定を確認する
3Dプリンター本体だけでなく、Curaなどのスライサーソフト側の設定も印刷開始位置に影響します。
特に確認したい項目は「初期レイヤー高さ」です。通常より大きな値になっている場合、1層目だけノズルが高い状態で印刷されることがあります。
例えば、通常0.2mmで印刷しているのに、初期レイヤー高さが0.4mmになっている場合、設定上はノズルが高い位置で印刷することになります。
ベッドとノズルの状態を確認する
機械的なズレも、ノズルが高くなる原因になります。特にEnderシリーズはベッドの固定やZ軸の状態によって微妙なズレが発生することがあります。
以下のポイントを確認してください。
- ベッドのガタつきがないか
- ノズル周辺に汚れや固まったフィラメントがないか
- Z軸の送りネジが正常に動いているか
- 左右のフレームが傾いていないか
例えば、ベッドの車輪部分が緩んでいると、印刷中の振動で高さが変化し、最初は成功しても途中から失敗することがあります。
1層目の状態を見ながら微調整する方法
3Dプリンターの調整では、実際に1層目を印刷しながら確認する方法が効果的です。
正常な状態では、フィラメントがベッドに軽く押し付けられ、隣の線と適度につながります。逆にノズルが高すぎる場合は、丸い断面のフィラメントがそのまま置かれるような状態になります。
反対にノズルが低すぎる場合は、フィラメントが潰れすぎたり、ノズルからフィラメントが出にくくなったりします。少しずつ調整して最適な位置を探すことが重要です。
オートレベリング搭載機種の場合の注意点
CR Touchなどのオートレベリングセンサーを搭載しているEnderシリーズでは、センサーの補正値設定も確認が必要です。
センサーはベッドの傾きを測定しますが、ノズルとセンサーの高さの差を正しく設定しないと、測定結果が印刷位置に反映されません。
センサーを後付けした場合やファームウェアを変更した場合は、Zオフセットの再設定が必要になることがあります。
まとめ
Enderシリーズでレベリング後もフィラメントが高い位置から出る場合、単純なベッド調整だけではなく、Zオフセットやスライサー設定、保存設定などを確認する必要があります。
特に多い原因はZオフセットのずれです。少しずつ数値を調整しながら、1層目の状態を確認すると改善しやすくなります。
3Dプリンターは0.1mm以下の調整でも印刷品質が大きく変わる機械です。レベリング、設定、機械状態を順番に確認することで、安定した印刷ができるようになります。


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