TOPPING DACのI2S HDMI入力にブルーレイプレーヤーを接続できる?UBP-X700のHDMI音声出力との違いを解説

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TOPPINGの一部DACには、見た目が一般的なHDMI端子と同じ「I2S」入力があります。そのため、Sony UBP-X700のように音声専用HDMI出力を備えたブルーレイプレーヤーとHDMIケーブルで直結すれば、DACからアナログ音声を出せそうに見えます。

しかし、HDMIコネクターを使ったI2S入力と、テレビ・AVアンプなどで使われる通常のHDMI音声は別の信号方式です。端子の形が同じだけで互換性はありません。そのため、UBP-X700のHDMI OUT 2(AUDIO ONLY)をTOPPING DACのI2S端子へ一般的なHDMIケーブルで直接つないでも、通常は音を出すことはできません。

UBP-X700から2chオーディオをTOPPING DACへ入力したい場合は、DAC側に対応端子があれば、プレーヤーの同軸デジタル出力(COAXIAL/S/PDIF)を利用する方法が最も簡単です。この記事では、HDMIとI2Sの違い、なぜ直結できないのか、UBP-X700から外部DACへ音声を送る現実的な方法を整理します。

TOPPING DACのI2S端子は「普通のHDMI入力」ではない

TOPPING D90SE、D90 IIIシリーズ、D70シリーズなど一部のDACには、HDMI Type-Aと同じ形状のコネクターを使ったI2S入力があります。ここで重要なのは、HDMI端子を流用しているだけで、HDMI規格の映像・音声信号を受信する端子ではないという点です。

I2S(Inter-IC Sound)は、本来DACチップやデジタルオーディオ機器内部で使われるデジタル音声伝送方式です。一般的にはビットクロック、ワードクロック、データなどを別々の信号線で伝送します。

オーディオ機器では、このI2S信号を機器間で伝送するためにHDMIコネクターを利用する製品があります。しかし、これは「I2S over HDMI」などと呼ばれる実装であり、HDMI Forumが規定する一般的なHDMI映像・音声規格とは異なります。TOPPINGもI2S対応DACについて専用の取扱説明書を公開しています。[参照:TOPPING D90 III Discrete User Manual]

UBP-X700のHDMI OUT 2は通常のHDMIオーディオ信号

Sony UBP-X700の背面には2つのHDMI出力があります。HDMI OUT 1は映像・音声用、HDMI OUT 2は音声専用です。Sony公式にも、OUT 2について「AUDIO ONLY」「デジタル音声のみ出力」と明記されています。[参照:Sony UBP-X700/K]

ただし、「音声専用HDMI」といってもI2S信号が直接出ているわけではありません。通常のHDMIプロトコルに従ったデジタルオーディオ信号が出力されています。

UBP-X700のHDMIでは、LPCMのほかDolby Digital、Dolby TrueHD、DTS-HD Master Audioなどさまざまなフォーマットを伝送できます。Sony公式ではHDMIからLPCM最大7.1chを出力できることも案内されています。[参照:Sony UBP-X700 Supported Audio Formats]

したがって、UBP-X700のHDMI OUT 2はAVアンプ、サウンドバー、テレビなどHDMIオーディオを受信できる機器へ接続するための端子です。

端子形状が同じでもHDMIとI2Sには互換性がない

この点はUSB Type-Cの例で考えると分かりやすいかもしれません。同じUSB-C端子でも、USB通信、DisplayPort、Thunderbolt、充電など中を流れる信号は異なります。端子の形だけでは互換性を判断できません。

TOPPINGのI2S端子とUBP-X700のHDMI端子も同様です。

端子 コネクター形状 流れる信号 主な接続先
UBP-X700 HDMI OUT 2 HDMI Type-A HDMI規格のデジタル音声 AVアンプ・テレビ・サウンドバー
TOPPING I2S入力 HDMI Type-A I2Sデジタル音声 I2S対応DDC・トランスポート

つまり物理的にはHDMIケーブルを挿せても、送信側と受信側が違う言語で通信している状態です。ケーブルだけではHDMI音声をI2Sへ変換できません。

直結しても通常は故障しないが、試す意味はない

一般的なHDMIケーブルでUBP-X700のHDMI出力とI2S DACをつないでも、DAC側が有効なI2S信号として認識できないため、基本的には無音になります。

ただしI2S over HDMIはメーカーごとにピンアサインが異なる場合があり、HDMI規格のように完全統一されていません。そのため、単に「端子が挿さるから試してみる」という接続はおすすめできません。

特にI2S端子同士であっても、送信機器とDACのピン配置が一致している必要があります。TOPPINGの一部DACではI2Sの設定を変更して複数のピン配置へ対応できるモデルがありますが、それでも相手側がI2S出力機器であることが前提です。

UBP-X700からTOPPING DACへつなぐなら同軸デジタル出力が簡単

UBP-X700にはHDMI以外に同軸デジタル音声出力(COAXIAL)があります。Sony公式仕様でも「デジタル音声出力 同軸-1」と明記されています。[参照:Sony UBP-X700 主な仕様]

利用しているTOPPING DACにCOAX入力があれば、75Ωの同軸デジタルケーブルでUBP-X700のCOAXIAL OUT → TOPPING DACのCOAX INと接続できます。

CDなどの2ch PCM音声を外部DACで再生したい場合には、この方法が最もシンプルです。DAC側でCOAX入力を選択すれば、デジタル音声をTOPPINGでD/A変換してRCAまたはXLRからアナログ出力できます。

同軸出力では2ch PCMにしておくと外部DACで扱いやすい

一般的な2ch DACはDolby DigitalやDTSなどの映画用圧縮サラウンド音声をデコードするAVデコーダーではありません。そのためブルーレイ映画などを再生する場合、プレーヤーからDolby DigitalやDTSをそのまま出すとDACから音が出ないことがあります。

Sonyの仕様では、UBP-X700のデジタル音声出力からLPCMは最大2ch、Dolby DigitalやDTSは対応フォーマットとして出力可能とされています。[参照:Sony UBP-X700音声フォーマット]

そのため一般的なステレオDACへ接続する目的なら、UBP-X700側でPCM/2ch PCMへ変換して出力する設定を使える場合は、その設定を選ぶのが安全です。最終的には利用するTOPPING DACの対応PCMサンプリング周波数とUBP-X700の出力仕様を確認してください。

CD再生ならCOAX接続は非常に相性が良い

UBP-X700をCDトランスポートのように使い、TOPPING DACでD/A変換したい場合は、同軸デジタル接続が特に分かりやすい構成です。

接続イメージは次のようになります。

UBP-X700 → 同軸デジタルケーブル → TOPPING DAC → RCA/XLR → プリアンプまたはアンプ

CDの音声は44.1kHz/16bit・2ch PCMなので、一般的なTOPPING DACなら問題なく扱えるケースがほとんどです。わざわざHDMIからI2Sへ変換する必要性もあまりありません。

ハイレゾファイルも同軸から出せるかは出力仕様を確認する

UBP-X700自体はUSBメモリーなどからFLAC・WAV最大192kHz/24bit、DSD最大11.2MHzなどのファイルを再生できます。[参照:Sony UBP-X700仕様]

ただし、「プレーヤー内部で再生できるフォーマット」と「すべての出力端子からそのまま同じ形式で出せること」は別です。HDMI、同軸、Bluetoothでは利用できるフォーマットやチャンネル数が異なります。

特にDSDについては、通常のS/PDIF同軸ではネイティブDSDをそのまま伝送する規格になっていません。DSD再生を重視する場合は、UBP-X700が各出力へどの形式で変換して出力するかを確認する必要があります。

SACDを外部DACで聴きたい場合はさらに注意が必要

UBP-X700はスーパーオーディオCD(SACD)の再生にも対応しています。しかしSACDのDSD音声を一般的な同軸S/PDIFからそのまま外部DACへ取り出せるわけではありません。

著作権保護やインターフェース上の制約もあるため、SACDの高解像度DSD信号を外部DACへ送る場合はHDMI経由など対応した機器構成が必要になります。

その場合も、UBP-X700の通常HDMIをTOPPINGのI2Sへ直結することはできません。SACDやHDMI音声をI2S対応DACで使いたいなら、HDMIから音声を取り出しI2Sへ変換する専用機器が必要になります。

HDMIからI2Sへ変換するには専用のHDMIオーディオ抽出・変換機が必要

どうしてもUBP-X700のHDMI出力を利用してTOPPINGのI2Sへ入力したい場合には、HDMI音声を受信し、内部でデコード・変換してI2S信号として出力できる専用機器が必要です。

オーディオ市場にはHDMIオーディオエクストラクターやHDMI→I2S変換機がありますが、どの商品でも利用できるわけではありません。HDCP、EDID、PCM対応チャンネル数、サンプリング周波数、DSD対応、I2Sピンアサインなどを確認する必要があります。

また、安価なHDMIオーディオエクストラクターの多くは、HDMIから光デジタルや同軸S/PDIF、アナログ音声を取り出す製品であり、TOPPING用I2Sを出力するものではありません。購入時には「HDMI端子がある」だけで判断しないことが重要です。

HDMI入力対応DACなら直接接続できる

外部DAC側に一般的なHDMI ARC/eARC入力やHDMIオーディオ入力が本当に搭載されていれば話は別です。その場合は通常のHDMI音声を受信する回路を搭載しているため、対応条件を満たせばブルーレイプレーヤーなどと接続できます。

しかし、TOPPINGの端子に「IIS」「I2S」などと書かれている場合はHDMIオーディオ入力ではありません。端子の横や取扱説明書で入力名を確認しましょう。

「HDMI」と書かれているかではなく、「HDMI Audio IN」なのか「I2S/IIS IN」なのかを見るのが判断ポイントです。

UBP-X700の音声専用HDMIは何のためにある?

UBP-X700のHDMI OUT 2(AUDIO ONLY)は、映像と音声を別々のHDMI経路に分離するための端子です。Sonyは、音声信号専用HDMI出力を搭載することで、HDCP 2.2や4K HDR非対応のAVアンプやサウンドバーも利用できると説明しています。[参照:Sony UBP-X700「ビデオ/オーディオ分離HDMI出力」]

例えば映像はHDMI OUT 1から4Kテレビへ送り、音声はHDMI OUT 2から古いAVアンプへ送るといった使い方ができます。

つまりOUT 2は「DAC専用のデジタルオーディオ端子」ではなく、通常のHDMI音声を受けられるAV機器用です。I2S出力端子として設計されているわけではありません。

おすすめの接続方法を用途別に整理

目的 おすすめ接続
CDをTOPPING DACで聴く UBP-X700同軸出力 → DACのCOAX入力
2ch PCMでBD/DVDを聴く 同軸出力+PCM設定
Dolby Atmos・DTS:Xなどを聴く HDMI → AVアンプ
HDMIをTOPPING I2Sへ入れたい 対応する専用HDMI→I2S変換機が必要
SACDのDSDを外部DACで扱いたい 対応機器・変換方式を個別確認

通常の2chオーディオ目的なら、変換機器を追加してI2Sへこだわるより、同軸デジタル接続のほうがトラブルが少なく簡単です。

まとめ:UBP-X700のHDMIとTOPPINGのI2Sは端子が同じでも直結できない

TOPPING DACのI2S入力で使われているHDMI端子と、Sony UBP-X700のHDMI OUT 2は、コネクター形状こそ同じですが中を流れる信号が異なります。

UBP-X700のHDMI OUT 2は通常のHDMI規格によるデジタル音声出力であり、TOPPINGのI2S入力はHDMIコネクターを利用してI2S信号を伝送する専用入力です。そのため、普通のHDMIケーブルでUBP-X700のAUDIO ONLY端子からTOPPINGのI2Sへ直結しても、DACからアナログ音声を出すことは基本的にできません。

UBP-X700からTOPPING DACへ2ch音声を送る目的なら、DACに同軸入力がある場合はUBP-X700のCOAXIALデジタル出力を利用する方法が最も簡単です。映画音声を一般的なステレオDACで再生する場合は、プレーヤー側を2ch PCM出力に設定して利用すると扱いやすくなります。

どうしてもHDMI出力からI2Sへ入力したい場合には、HDMI信号を受信してI2Sへ変換できる専用機器が必要です。その際はHDCPやPCM・DSD対応状況だけでなく、TOPPING側のI2Sピンアサインとの互換性まで確認する必要があります。単純なHDMIケーブルだけでは変換できない、と覚えておくと間違いにくいでしょう。

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