長期間使わずに保管していたスマートフォンを久しぶりに取り出したところ、本体が膨らんでいたというケースがあります。多くの場合、内部に搭載されているリチウムイオン電池の膨張が疑われます。
膨張したスマートフォンは、普通の不燃ごみなどと同じ感覚で捨てるのは避ける必要があります。リチウムイオン電池を使用した製品は、廃棄物の処理過程で火災事故につながることがあり、環境省も収集運搬車両や廃棄物処理施設での火災リスクについて注意を促しています。
重要なのは、膨張したスマホを無理に分解せず、自治体やメーカーなどが案内している方法で処分することです。クリーンセンターへ持ち込めるかどうかも自治体によって異なるため、持参する前に確認しましょう。
スマホが膨張する主な原因はリチウムイオン電池
スマートフォンには一般的に充電可能なリチウムイオン電池が搭載されています。長期間の使用や経年劣化、保管環境などによって電池内部でガスが発生すると、バッテリーが膨張して本体の背面や画面を押し上げることがあります。
例えば、スマホを机の上に置いたときに以前よりガタつく、背面パネルが浮いている、画面とフレームの間に隙間ができているといった状態は、バッテリー膨張の可能性があります。
液漏れや異臭がなくても安全とは限りません。外見上は膨らんでいるだけでも、内部ではすでに電池が劣化している可能性があるため、通常のスマートフォンとして再使用するのは避けたほうが安全です。
膨張したスマホでやってはいけないこと
まず避けたいのが、状態を確認するために充電したり電源を入れたりすることです。処分予定の端末であれば、わざわざ通電させる必要はありません。
また、膨らんだ本体を押して元の形に戻したり、ケースをこじ開けてバッテリーを取り出したり、バッテリーに穴を開けたりする行為も避けてください。リチウムイオン電池に強い力を加えると、内部短絡や発熱、発煙、発火につながるおそれがあります。
膨張した電池を自分で取り外そうとしないことが重要です。特に現在のスマートフォンはバッテリーが本体内部に接着されている製品も多く、取り外す際に電池を曲げたり傷つけたりする可能性があります。
クリーンセンターで処分できるかは自治体によって異なる
膨張したスマートフォンをクリーンセンターやごみ処理施設へ持ち込めるかどうかは、全国一律ではありません。自治体ごとに小型家電やリチウムイオン電池使用製品の回収方法が異なるためです。
そのため、最初に住んでいる市区町村の公式サイトで「スマートフォン リチウムイオン電池」「膨張した充電池」「小型家電」などの項目を確認するのがおすすめです。クリーンセンターへ直接持ち込める場合もあれば、特定の回収場所を指定している場合もあります。
公式サイトだけでは膨張品について判断できない場合は、クリーンセンターや自治体の廃棄物担当窓口へ電話し、「バッテリーが膨張したスマートフォンを本体ごと処分したい」と伝えて確認すると話が早くなります。
一般的な充電池回収ボックスへ勝手に入れない
家電量販店などでは小型充電式電池の回収を行っていることがありますが、膨張した電池を通常の回収ボックスへそのまま投入してよいとは限りません。
一般社団法人JBRCでは、膨張・破損・水濡れなどの異常がある電池はJBRCの回収対象外と案内しています。また、携帯電話用電池についても通常のJBRC回収とは扱いが異なります。そのため、「リチウムイオン電池だから回収ボックスへ入れればよい」と判断しないことが大切です。
膨張した電池などJBRCの回収対象外品については、メーカーまたは自治体へ相談するよう案内されています。詳しい条件は[参照:一般社団法人JBRC 小型充電式電池の廃棄方法]で確認できます。
処分まで膨張したスマホをどう保管する?
すぐに処分できない場合は、少なくとも充電や使用をせず、強い衝撃や圧力を加えないように扱います。子どもやペットが触れる場所、落下しやすい場所には置かないようにしましょう。
高温になる場所も避けます。直射日光の当たる窓際、夏場の自動車内、暖房器具の近くなどに放置するのは適切ではありません。また、膨張したスマホを衣類や紙など燃えやすい物が大量にある場所へ長期間放置することも避けたほうがよいでしょう。
すでに異常な発熱、煙、刺激臭、液漏れなどが発生している場合は、通常の廃棄物として自分で運搬する前に、消防や自治体など適切な窓口へ状況を伝えて対応を確認してください。
なぜ普通のごみに混ぜてはいけないのか
リチウムイオン電池を含む製品が一般ごみに混入すると、ごみ収集車や処理施設の設備で押しつぶされた際に発火する可能性があります。
環境省も、リチウムイオン電池やそれを使用した製品が廃棄物として処理される過程で火災事故などが発生し、収集運搬車両や廃棄物処理施設に被害が生じることを問題として挙げています。詳しくは[参照:環境省 リチウムイオン電池等の回収・処理体制について]で確認できます。
スマートフォンだけでなく、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホン、携帯ゲーム機などにも充電池が使われています。「小さい電子機器だから普通の不燃ごみで大丈夫」と自己判断せず、自治体の分別ルールを確認することが重要です。
古いスマホを長期間保管するときにも注意
現在は正常な古いスマートフォンでも、何年も引き出しに入れたままにするとバッテリーが劣化する可能性があります。使わなくなった端末を大量に保管している場合は、ときどき外観を確認すると異常に気づきやすくなります。
特に背面パネルやディスプレイが浮いてきた端末は注意が必要です。スマホケースを装着したままだと膨張に気づきにくいこともあるため、長期間保管している機器は状態を確認しておくとよいでしょう。
今後使う予定がなく、データ移行なども完了している端末なら、劣化が進むまで何年も保管するより、自治体やメーカーなどの適切な回収ルートを利用して早めに処分することも選択肢になります。
まとめ:膨張したスマホは自治体やメーカーに確認して安全に処分しよう
膨張したスマートフォンは、内部のリチウムイオン電池が劣化している可能性が高いため、充電したり、押しつぶしたり、自分で分解してバッテリーを取り外したりしないことが重要です。
クリーンセンターで受け入れてもらえる可能性はありますが、処分方法は自治体によって異なります。まず市区町村の公式情報を確認し、不明な場合は「膨張したリチウムイオン電池を内蔵したスマートフォン」と具体的に伝えて問い合わせてください。
一般的な充電池回収ボックスについても、膨張品は通常の回収対象外となる場合があります。普通ごみに混ぜたり、回収ボックスへ無断で投入したりせず、自治体・メーカーなどから案内された方法で処分するのが安全です。


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