FiiO KA11で音質は変わる?iPhone 15+MDR-XB55AP+CD音質FLACで使う効果を解説

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iPhoneで有線イヤホンを使う場合、USB-DACを追加すると音質がどの程度変わるのかは気になるところです。特にFiiO KA11のような小型USB-DACは比較的導入しやすいため、CDから取り込んだ16bit/44.1kHzのFLACを聴く場合にも意味があるのか迷うことがあります。

結論からいえば、iPhone 15+FiiO KA11+SONY MDR-XB55APという組み合わせでも、DAC・アンプ部分が変わるため音の違いを感じる可能性はあります。ただし、イヤホン自体を交換したときのような劇的な音色の変化を必ず期待できるものではありません。

また、16bit/44.1kHzのFLACだからUSB-DACを使う意味がない、ということもありません。USB-DACの役割はハイレゾファイルを再生することだけではなく、デジタル信号をアナログ信号へ変換し、イヤホンを適切に駆動することにもあるからです。

FiiO KA11はどのようなUSB-DACなのか

FiiO KA11はスマートフォンなどのUSB端子へ接続して使用する、いわゆるドングル型のUSB-DAC/ヘッドホンアンプです。FiiOの公表情報ではDACにCS43131、アンプにSGM8262を採用し、PCMは最大384kHz/32bit、DSD256までのデコードに対応しています。

さらに16Ω負荷では最大245mW+245mWの出力が公表されており、本体重量は約8.5gです。小型の製品ですが、イヤホンだけでなく一定範囲のヘッドホンまで視野に入れられる出力性能を持っています。

ただし、この最大出力がそのまま「音質の良さ」を意味するわけではありません。高出力は主に駆動力や音量の余裕に関係する指標であり、実際に聞こえる音はイヤホンの特性や音源、音量、装着状態などにも左右されます。[参照:FiiO公式 KA11製品情報]

MDR-XB55APはKA11の高出力を必要とするイヤホンではない

SONY MDR-XB55APは12mmダイナミックドライバーを採用した密閉型イヤホンで、公式仕様ではインピーダンス16Ω、感度110dB/mWとなっています。

この数値から考えると、MDR-XB55APは比較的鳴らしやすいイヤホンです。そのため、KA11の大きな出力がなければ十分な音量を得られない、という組み合わせではありません。

KA11を導入する目的は「音量不足の解消」というより、DACやアンプ回路を変更することで再生環境を整えることにあると考えたほうが適切です。MDR-XB55APの仕様についてはソニー公式サイトでも確認できます。[参照:ソニー公式 MDR-XB55AP]

CD音質のFLACでもUSB-DACを使う意味はある

16bit/44.1kHzは一般的な音楽CDと同等のフォーマットです。「ハイレゾではないから外付けDACを使っても意味がない」と思われがちですが、これは少し違います。

DACはデジタルデータをアナログの音声信号へ変換する装置です。そしてイヤホンを鳴らすためには、その後段にあるアンプも必要になります。したがってUSB-DACを変更すると、ハイレゾかどうかとは別にDAC・アンプ・出力段という再生経路そのものが変わります。

むしろ16bit/44.1kHzのロスレス音源は、音楽鑑賞用として十分に高品質です。KA11が最大384kHz/32bitに対応しているからといって、384kHzの音源を用意しなければ性能を発揮できないという意味ではありません。

iPhone 15ではそもそも「イヤホン直挿し」ができない

ここは比較するときに重要なポイントです。iPhone 15には3.5mmイヤホンジャックがありません。そのため3.5mmプラグのMDR-XB55APをiPhone 15で使用するには、何らかのUSB-C-3.5mm変換機器が必要です。

一般的なUSB-C-3.5mmオーディオアダプタにもDACが内蔵されています。つまり実際の比較は「iPhone内蔵DAC対KA11」というより、現在使っているUSB-CオーディオアダプタのDAC/アンプ対FiiO KA11になることが多いでしょう。

そのため変化量は、現在どの変換アダプタを使っているかによっても変わります。すでに性能の良いDACアダプタを使っているなら差は小さくなる可能性があり、逆に出力や品質に余裕の少ないアダプタから変更すれば違いを感じやすくなる可能性があります。

KA11で低音は増えるのか

MDR-XB55APは、ソニーが「ベースブースター」を特徴として掲げている重低音志向のイヤホンです。ハウジングのダクトなどによって低域を強調する設計になっているため、もともと低音の量感が大きいモデルです。

KA11を追加したからといって、イコライザーで低音を持ち上げたように低音量が大幅に増える、と考えるのは適切ではありません。

違いが出るとすれば、低域の輪郭、立ち上がり、音の分離感、余裕などとして感じる可能性があります。ただし、このような差の感じ方には個人差があり、使用している変換アダプタとの比較によっても変わります。

「重低音がさらに強くなる」と期待して買うのは少し違う

USB-DACは基本的にイヤホンそのものの音響設計を変更する機器ではありません。MDR-XB55APの低音の量感を決めている大きな要素は、イヤホン本体のドライバーやハウジング、イヤーピース、装着状態です。

そのため「KA11を付ければ重低音が倍増する」というような期待で購入すると、思っていたほど変化しなかったと感じる可能性があります。

一方で、音量を上げたときの余裕や低域の制動感など、単純な低音量とは違う部分を評価するのであれば、DAC/アンプの変更を試す価値はあります。

実はイヤーピースの装着状態も低音に大きく影響する

カナル型イヤホンでは、イヤーピースと耳の密閉状態が低音に大きく影響します。MDR-XB55APも例外ではありません。

例えばイヤーピースが小さすぎて隙間ができていると、低音が抜けてしまいます。反対に適切なサイズで耳道を密閉できれば、本来の低域を得やすくなります。

USB-DACを購入する前に、付属するSS・S・M・Lなどのイヤーピースを試し、左右それぞれ適切なサイズになっているか確認しておくのも有効です。

KA11で体感しやすいのは「音量の余裕」

USB-DACの違いの中でも比較的分かりやすいのが、出力の余裕です。KA11は16Ω負荷で最大245mW+245mWという高い出力が公表されています。

もっとも、MDR-XB55APは16Ω・110dB/mWと高感度なので、この出力を使い切る必要はありません。むしろ大音量になりすぎないよう注意する必要があります。

KA11を接続した直後は音量を十分に下げた状態から再生し、少しずつ適切な音量まで上げるのが安全です。

音質差を確認するときは同じ音量にそろえることが重要

USB-DACを比較するときに注意したいのが音量です。人間はわずかに音量が大きいだけでも、音が鮮明になったり低音が力強くなったりしたように感じることがあります。

例えば現在のUSB-C変換アダプタでは音量40%、KA11では30%で同程度の音量になる場合、単純に同じ音量表示で比較するのは適切ではありません。

できるだけ実際に聞こえる音量をそろえ、同じ曲の同じ部分を切り替えて比較すると、音量差ではなく機器そのものの違いを判断しやすくなります。

比較には聞き慣れた曲を使う

機器を比較するためだけに高音質な試聴曲を探す必要はありません。普段から何度も聞いている曲のほうが、小さな違いに気付きやすい場合があります。

例えばMDR-XB55APなら、キックドラムとベースが同時に鳴る場面で低域の音を聞き分けられるか、ボーカルと低音が重なったときに声が埋もれにくくなるか、といったポイントを比較できます。

ほかにもシンバルなどの高域、ボーカルの位置、左右の楽器の分離などを確認すると、単純な「良い・悪い」だけではなく変化を把握しやすくなります。

KA11よりイヤホン交換のほうが変化は大きいことも多い

現在の音から大きく変化させたい場合には、USB-DACよりイヤホンを交換したほうが分かりやすいケースもあります。

イヤホンは振動板やハウジングなどによって直接音を作る部分なので、製品ごとの周波数特性や音場、低音量、高音の出方などに大きな違いがあります。

例えば「MDR-XB55APの重低音は好きだが、ボーカルをもっとクリアにしたい」という場合、KA11を追加する方法だけでなく、好みに合う上位イヤホンへ予算を回す方法も比較する価値があります。

将来イヤホンやヘッドホンを買い替えるならKA11の価値は上がる

一方、KA11をMDR-XB55AP専用機として考える必要はありません。今後、より鳴らしにくい有線イヤホンやヘッドホンへ買い替える予定があるなら、USB-DACを先に用意する意味は大きくなります。

KA11は3.5mm出力を備えた小型機なので、3.5mmプラグを採用するさまざまな有線イヤホンと組み合わせられます。

現在はMDR-XB55APを使い、将来的に別の有線イヤホンへステップアップするという使い方なら、再生環境を先に整える機器として考えることもできます。

iPhone 15でKA11を選ぶ場合はUSB-C版を確認する

iPhone 15シリーズはUSB-C端子を採用しています。そのためKA11を購入するときは、端子の種類を確認することが重要です。

同じ製品名でも販売店によってUSB-C版とLightning版が併売されている場合があります。iPhone 15へ直接接続するのであればUSB-C仕様を選びます。

購入ページの商品画像だけで判断せず、商品名や仕様欄に「Type-C」「USB-C」などの記載があることを確認してから注文すると間違いを防ぎやすくなります。

KA11ではMDR-XB55APのマイク・リモコン利用にも注意

MDR-XB55APのプラグは4極ミニプラグで、ケーブルにはマイクとリモコンが搭載されています。一方、USB-DAC側の3.5mm端子がヘッドホン出力として設計されている場合、イヤホンに付いているマイクやリモコン機能を利用できないことがあります。

そのためMDR-XB55APを「音楽を聴くイヤホン」として使うだけなら大きな問題にならなくても、通話やマイク入力まで使いたい場合には購入前に対応状況を確認する必要があります。

音質だけでなく、普段使っている操作機能が維持できるかまで確認してUSB-DACを選ぶと失敗しにくくなります。

16bit/44.1kHzを24bitや192kHzへ変換すれば高音質になるわけではない

CDから正しく取り込んだ16bit/44.1kHz FLACには、元のCDに記録されている情報がロスレスで保存されています。

これを再生時に24bit/192kHzなどへアップサンプリングしたとしても、元のCDに存在しなかった音声情報が新しく復元されるわけではありません。

したがってKA11を導入する場合も、「384kHzまで対応しているからCD音源を384kHzに変換しなければならない」と考える必要はありません。元の44.1kHzのまま適切に再生して問題ありません。

KA11が向いているケース

KA11は、iPhone 15で今後も有線イヤホンを使いたい人や、小型のUSB-DAC/アンプを一つ持っておきたい人に向いています。

また将来的にMDR-XB55AP以外のイヤホンやヘッドホンを購入する予定があり、スマートフォン側の再生環境を先に整えておきたい場合にも使いやすい選択肢です。

一方、現在の音に特に不満がなく、「KA11へ交換した瞬間に誰でも分かるほど音が激変すること」を期待している場合には、期待値を少し下げて考えたほうがよいでしょう。

音質改善の優先順位を考える

限られた予算で音質を改善する場合、一般的にはイヤホンそのもの、イヤーピースや装着状態、音源、DAC/アンプという複数の要素をまとめて考える必要があります。

MDR-XB55APの音の方向性そのものが好きならKA11を追加して再生環境を整える選択は合理的です。逆にMDR-XB55APの低音が多すぎる、高音やボーカルをもっと変えたい、と感じているならイヤホン交換のほうが目的に近い可能性があります。

つまり「今のイヤホンを生かしたまま再生側をアップグレードしたい」のか、「音そのものを大きく変えたい」のかによって、予算をかける場所が変わります。

まとめ:KA11はCD音質FLACでも使えるが、MDR-XB55APでは劇的変化を前提にしない

FiiO KA11はハイレゾ専用の機器ではありません。16bit/44.1kHzのFLACでもDACとアンプを通して再生するため、USB-DACを導入する意味はあります。

MDR-XB55APは16Ω・110dB/mWと鳴らしやすく、もともと重低音を特徴とするイヤホンです。そのためKA11の高出力が必須という組み合わせではなく、低音量が劇的に増えることを目的に導入する製品でもありません。

現在使用しているUSB-C-3.5mm変換アダプタとの違いとして、音の輪郭や低域の質感、分離感、出力の余裕などを感じられる可能性はありますが、その差がどれほど大きいかは再生環境と聞き手によって変わります。

今のMDR-XB55APを気に入っていて、今後も有線イヤホンを使いながら再生環境を整えたいならKA11は検討しやすい選択肢です。一方、とにかく大きな音質変化を求めるのであれば、KA11だけでなくイヤホン自体のアップグレードも含めて予算配分を考えると、満足度の高い改善につながりやすくなります。

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