iPhoneでは物理SIMカードを使わない「eSIM専用モデル」が広がっています。日本でもiPhone 17シリーズは物理SIMに対応せず、eSIMを使ってモバイル回線を利用する仕様になっています。
ではAndroidスマートフォンも同じように物理SIMを廃止しているのでしょうか。2026年時点では、AndroidでもeSIM専用モデルはすでに登場しています。代表例が米国向けのGoogle Pixel 10シリーズの一部です。ただし、Androidメーカー全体が一斉に物理SIMを廃止したわけではなく、国・地域・モデルによって仕様が異なる段階です。
「メーカーが物理SIMを廃止した」というより、「特定地域向けの特定モデルからeSIM専用化が始まっている」と理解するほうが現在の状況に近いでしょう。ここではPixelやGalaxyを例に、AndroidのeSIM専用化がどこまで進んでいるのかを解説します。
Androidにも物理SIMを使えないeSIM専用スマホはある
Androidで分かりやすい例がGoogle Pixelです。Google公式サポートによると、米国向けのGoogle Pixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLは物理SIMを使用せず、eSIMのみを利用します。Google Pixel公式・eSIMについて[参照]
つまり「Androidにはまだ物理SIM廃止モデルが存在しない」という状況ではありません。GoogleというAndroidを展開する主要メーカー自身が、一部のPixelでSIMトレイを使わない方向へ進んでいます。
ただし重要なのは米国向けという条件です。Googleの案内でも、Pixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLで物理SIMが使えないという注意書きは米国向けとして記載されています。Androidスマートフォンを世界中で一律にeSIM専用へ変更したわけではありません。Google Pixel公式・SIMまたはeSIMの追加[参照]
Pixel 10でもモデルや地域によってSIM仕様が違う
スマートフォンのSIM仕様を調べる際は、単に「Pixel 10はeSIM専用」と覚えるのではなく、販売地域とモデルまで確認する必要があります。Google公式では、米国のPixel 10以降についてeSIM専用化を案内する一方、例外としてPixel 10 Pro Foldについても区別しています。Google Pixel公式・デュアルSIMについて[参照]
このように、同じPixelシリーズでもすべてが同じSIM構成とは限りません。海外通販や中古市場でスマートフォンを購入するときは、日本版と海外版でSIMスロットの有無が違う可能性を考える必要があります。
例えば海外旅行用として「現地でプリペイドのnanoSIMを購入して差し替える」という使い方を予定している場合、eSIM専用モデルでは同じ方法が使えません。購入前に端末の型番と販売地域、対応SIMを確認することが大切です。
GalaxyはeSIM対応が広がっているが「eSIM対応=物理SIM廃止」ではない
Samsung GalaxyでもeSIM対応機種は増えています。Samsung Japanの2026年8月更新の案内では、Galaxy S26シリーズ、Fold8シリーズ、Flip8シリーズを含む多数の機種がeSIM対応端末として掲載されています。Samsung公式・GalaxyのeSIM対応端末[参照]
ここで注意したいのが、eSIMに対応していることと、物理SIMを廃止していることは別という点です。「nanoSIM+eSIM」に対応しているスマートフォンもeSIM対応機種に含まれます。
そのためAndroidの仕様を比較するときは、「eSIM対応」という表示だけで物理SIMスロットがないと判断してはいけません。「nanoSIM」「SIMスロット」「デュアルSIM」などの仕様欄まで確認する必要があります。
iPhoneも以前から世界中で一律にeSIM専用だったわけではない
iPhoneについても、eSIM専用化は一度に全世界で行われたわけではありません。Appleは米国で販売するiPhone 14以降などを先行してeSIM専用としていました。
現在は対象地域が拡大しており、Appleの案内では日本で販売されるiPhone 17、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro MaxなどもeSIMのみで利用するモデルとして掲載されています。Apple公式・iPhoneで使われているSIMの種類[参照]
例えば日本向けiPhone 17の仕様には「デュアルeSIM」「2つのアクティブなeSIM」「8つ以上のeSIMを保存可能」と記載され、物理SIMには対応していません。Apple公式・iPhone 17技術仕様[参照]
Androidもこれと似た形で、まず特定地域・特定モデルからeSIM専用化が進み、その後どこまで対象が広がるかを見る段階と考えると分かりやすいでしょう。
なぜスマートフォンはeSIM専用へ移行するのか
eSIMは端末内部に組み込まれた仕組みなので、従来のSIMカードのように小さなカードを取り出して交換する必要がありません。通信事業者が対応していれば、端末上の操作やQRコードなどによって回線を設定できます。
GoogleはeSIMについて、物理SIMより損傷しにくく、端末内に複数のeSIMプロファイルを設定して回線を切り替えたり、旅行中のプランを管理したりできる点を案内しています。Google Pixel公式[参照]
また、物理SIMを抜き取れないことは盗難時のセキュリティ面でもメリットがあります。Appleも、eSIMは端末から取り出せないため物理SIMより安全性が高いという特徴を説明しています。Apple公式・eSIMについて[参照]
一方で物理SIMがなくなると困る場面もある
eSIM専用化にはメリットだけでなく不便な点もあります。特に端末が故障したとき、物理SIMならカードを抜いて予備スマートフォンへ挿すだけで回線を移せるケースがありますが、eSIMでは通信事業者側の再発行・転送手続きが必要になる場合があります。
海外旅行でも、これまでは空港や街中で現地SIMを購入して差し替える方法が定番でした。eSIM専用スマートフォンでは現地通信事業者や旅行用eSIMサービスがeSIMに対応している必要があります。
また、日本国内でもすべての通信サービスが同じ方法でeSIMを発行・再発行できるわけではありません。格安SIMを含め、現在利用している通信会社がeSIMに対応しているかを確認せずeSIM専用端末へ買い替えると、現在の回線をそのまま移せない可能性があります。
Android購入時は「eSIM対応」より「物理SIMスロットの有無」を確認する
これからAndroidスマートフォンを購入するときは、SIMの仕様を個別に確認する習慣をつけると安心です。特に海外モデルや並行輸入品では、同じ製品名でも販売地域によってSIM構成が異なる場合があります。
| 仕様 | 意味 |
|---|---|
| nanoSIMのみ | 物理SIMを利用するタイプ |
| nanoSIM+eSIM | 物理SIMとeSIMの両方に対応 |
| デュアルnanoSIM+eSIM | 複数のSIM方式に対応する場合があるが、同時利用条件は機種ごとに異なる |
| eSIMのみ | 物理SIMカードを挿入できない |
「eSIM対応」と書かれているだけでは、物理SIMが使えるかどうかは判断できません。メーカー公式の仕様ページで「SIM」「nanoSIM」「SIMスロット」などの項目を見るのが確実です。
また、デュアルSIM対応でも「物理SIM+eSIM」なのか「eSIM+eSIM」なのかによって使い勝手が違います。仕事用と個人用の2回線を使いたい場合などは、同時に有効化できるSIMの組み合わせまで確認しましょう。
Androidも将来すべてeSIM専用になるのか
Android全体がいつ物理SIMを廃止するかを現時点で断定することはできません。Android端末はGoogleだけでなくSamsung、Xiaomi、Motorola、OPPOなど多数のメーカーが世界各国へ製品を販売しており、通信環境も地域によって大きく異なるためです。
一方で、Googleが米国向けPixel 10シリーズの一部でeSIM専用化したことは、Androidでも物理SIMを搭載しない製品が現実に登場していることを示しています。
今後ほかのメーカーや地域にも広がる可能性はありますが、「Androidは近いうちにすべて物理SIM廃止になる」とまでは現時点では言えません。新しい端末を購入する際、その都度公式仕様を確認するのが最も確実です。
まとめ:Androidでも物理SIM廃止はすでに始まっているが地域・機種限定
Androidスマートフォンでも物理SIMを搭載しないeSIM専用モデルはすでに登場しています。代表例として、米国向けGoogle Pixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XLはGoogle公式に物理SIMを使用しないeSIM専用モデルと案内されています。
ただし、Androidメーカー全体が物理SIMを廃止したわけではありません。Pixelでも販売地域やモデルによって仕様が異なり、GalaxyなどではeSIMに対応しながら物理SIMも利用できる構成が存在します。
したがって2026年時点では、「AndroidもeSIM専用化が始まったが、まだ物理SIMとの併用モデルが広く存在する段階」と考えるのが適切です。今後スマートフォンを購入する際は、eSIM対応の有無だけでなく、物理SIMスロットの有無、利用中の通信事業者のeSIM対応、eSIMの再発行・移行方法まで確認しておくと、機種変更後のトラブルを避けやすくなります。


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