3Dプリンター用のPETGフィラメントを乾燥機に入れたところ、フィラメント同士がくっついてしまったというトラブルは珍しくありません。PETGは吸湿しやすい素材のため乾燥が重要ですが、温度設定や乾燥方法を間違えると新品のフィラメントでも変形や融着が起こることがあります。この記事では、PETGが乾燥中に固まる原因や適切な乾燥条件、再発を防ぐポイントについて詳しく解説します。
PETGフィラメントが乾燥機の中でくっつく主な原因
PETGフィラメントが乾燥中にくっつく大きな原因は、乾燥温度が高すぎたり、フィラメント表面が軟化する温度域に長時間さらされたりすることです。
PETGのガラス転移温度はおよそ80℃前後ですが、フィラメントの種類やメーカーによってはそれより低い温度でも表面が柔らかくなる場合があります。65℃という設定温度自体は一般的な乾燥温度として使われますが、乾燥機内部の実際の温度が設定値より高い場合や、フィラメント同士が密着した状態では部分的にくっつくことがあります。
例えば、リールに巻かれたフィラメントの隙間が少ない状態で長時間加熱すると、柔らかくなった表面同士が接触して接着したような状態になります。指で力を入れると剥がれるものの、一部が折れてしまう場合はこの状態が考えられます。
新品のPETGでも固まることがある理由
新品のフィラメントでも、製造時や保管時の状態によっては乾燥が必要になる場合があります。ただし、新品だから必ず乾燥が安全にできるというわけではありません。
フィラメントは真空パックされていますが、輸送中の温度変化や保管環境によって内部応力が残っていることがあります。その状態で高温乾燥すると、巻きの圧力によってフィラメント同士が密着しやすくなる場合があります。
また、乾燥機によっては表示温度と実際の庫内温度に差があることがあります。設定では65℃でも、ヒーター付近では70℃以上になっているケースもあるため、温度計で庫内温度を確認すると原因特定に役立ちます。
PETGを乾燥するときの適切な温度と時間
PETGの乾燥条件はメーカーによって多少異なりますが、一般的には以下のような設定が推奨されています。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 乾燥温度 | 50〜60℃程度 |
| 乾燥時間 | 4〜8時間程度 |
| 保管方法 | 防湿ケースや乾燥剤入り容器で保存 |
長時間乾燥したい場合でも、温度を上げすぎるより低めの温度で時間をかけるほうが安全です。特に65℃で9時間という設定は、乾燥機の性能やフィラメントの状態によっては融着リスクがあります。
例えば、湿気が気になるPETGを乾燥する場合は、55℃で6時間程度乾燥し、その後すぐに防湿容器へ移すことで品質を維持しやすくなります。
くっついてしまったPETGフィラメントは使えるのか
軽くくっついている程度であれば、手でゆっくり剥がして使用できる場合があります。ただし、強く引っ張った際にフィラメントが折れる部分は、印刷中の送り不良やノズル詰まりの原因になる可能性があります。
特にフィラメントの外側だけではなく、リール内部まで固まっている場合は無理に使用しないほうが安全です。3Dプリンターでは一定の力でフィラメントを送り続けるため、途中で引っ掛かると造形失敗につながります。
試す場合は、固まった部分を取り除き、手でスムーズに引き出せる範囲だけ使用するとよいでしょう。
PETGフィラメントを乾燥するときに失敗しないポイント
PETGの乾燥では、温度だけでなくフィラメントの置き方も重要です。リールを乾燥機に入れる場合は、フィラメント同士が強く押し付けられていないか確認しましょう。
また、乾燥後にそのまま部屋に放置すると、PETGは再び湿気を吸収します。印刷する分だけ取り出し、残りは乾燥剤入りの密閉容器やフィラメント用ドライボックスで保管するのがおすすめです。
例えば、週末だけ3Dプリンターを使う場合でも、使用後にフィラメントを袋へ戻して乾燥剤と一緒に保存するだけで、吸湿による印刷不良を大きく減らせます。
PETG乾燥時のトラブルを防ぐためのまとめ
PETGフィラメントが乾燥中にくっつく原因は、主に温度の上げすぎ、乾燥機の実温度差、長時間の加熱、フィラメント同士の圧力などが関係しています。
65℃で9時間という乾燥条件は環境によっては問題になる可能性があるため、まずは50〜60℃程度の低めの温度から試すと安心です。
新品フィラメントでも保管状態や乾燥方法によってトラブルは発生します。適切な温度管理と防湿保管を行うことで、PETGの性能を保ちながら安定した3Dプリントを楽しむことができます。


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