LANケーブルを交換したり、新しいLANケーブルを追加した直後から、Wi-Fiも有線接続のパソコンもインターネットにつながらなくなることがあります。この場合、パソコンやスマートフォン個別の不具合よりも、モデム・ONUとルーターの間の配線、LANケーブルの接続先、ルーターのWANポート、追加した機器やケーブルの接続方法に原因がある可能性が高くなります。
特に、Wi-Fiの電波自体は表示されるのにインターネットだけ使えない場合、無線機能は動いていてもルーターが回線側へ接続できていないことがあります。LANケーブルを増設した際に、誤ってWANポートとLANポートを入れ替えたり、ルーター同士を不適切につないだりすると、家中の端末が一斉にネットへ出られなくなることがあります。
この記事では、LANケーブル交換後にWi-Fiもパソコンもつながらなくなった場合に、故障を疑う前に確認したいポイントを、元の配線へ戻す方法から順番に解説します。
- まず追加したLANケーブルを外して「元の状態」に戻す
- モデム・ONUとルーターの接続先を確認する
- LANケーブルが奥まで差さっているか確認する
- 新しいLANケーブル自体の不良も確認する
- 「LANケーブルを増やす」だけでは分岐できない点に注意
- ルーターを2台つないだ場合は接続方法に注意する
- 電源を切るだけでなく正しい順番で再起動する
- ONU・モデムのランプを確認する
- Wi-Fiにつながっているのに「インターネットなし」ならルーターより上流を疑う
- パソコンをルーターへ直接つないで確認する
- ルーターのWAN・INTERNETランプが点灯しているか確認する
- ルーターを初期化するのは最後にする
- 原因を効率よく切り分けるおすすめの順番
- それでも直らない場合は回線障害や機器故障も確認する
- まとめ:LANケーブル交換直後ならまず配線を元に戻してWANポートを確認する
まず追加したLANケーブルを外して「元の状態」に戻す
トラブルがLANケーブル交換・増設の直後に発生したのであれば、最初に行いたいのは変更した部分をすべて元へ戻すことです。新しく追加したLANケーブルや、その先につないだ機器をいったん外し、以前正常に使えていた最小構成に戻します。
たとえば「ONUまたはモデム→ルーター→パソコン」という構成で以前は正常だったなら、まずその形だけにします。追加したハブ、別ルーター、ゲーム機、テレビなどは一度外してかまいません。
元の構成へ戻しただけでネットが復旧するなら、原因は新しく追加したケーブル・機器・接続方法のどれかにある可能性が高いと判断できます。その後、1本ずつ追加してどの時点で通信できなくなるか確認すると切り分けやすくなります。
モデム・ONUとルーターの接続先を確認する
最も多い確認ポイントの一つが、モデムやONUから来ているLANケーブルをルーターのどこへ挿しているかです。一般的な家庭用ルーターには、インターネット回線側を接続する「WAN」「INTERNET」「インターネット」などと書かれたポートと、パソコンなどをつなぐ「LAN」ポートがあります。
ONUやモデムからのケーブルを誤ってLANポートへ挿すと、Wi-Fi自体は表示されてもインターネットへ接続できないことがあります。逆にパソコン用のLANケーブルをWANポートへ挿してしまっても正常には使えません。
機種によってWANポートだけ色が違う場合もあります。配線を交換した際は、回線機器→ルーターのWANポート、パソコンなど→ルーターのLANポートという基本構成になっているかを確認します。
LANケーブルが奥まで差さっているか確認する
LANケーブルは見た目では挿さっているように見えても、コネクタが最後まで入っていないことがあります。特に新しいケーブルは爪が硬く、途中までしか入っていないことがあります。
一度ケーブルを抜き、「カチッ」と爪が固定されるところまで差し直します。ONU・モデム側、ルーター側、パソコン側のすべてを確認してください。
多くの機器ではLANポートの近くにLINK、LAN、ACTなどのランプがあります。正常につながると点灯または点滅します。ケーブルを挿してもランプがまったく反応しない場合は、ケーブル不良、接触不良、接続先の間違いなどが考えられます。
新しいLANケーブル自体の不良も確認する
新品のLANケーブルでも初期不良が起きることはあります。また、長いケーブルを強く曲げた、家具で挟んだ、コネクタ部分を強く引っ張ったといった場合には内部で断線することもあります。
最も簡単な確認方法は、以前使えていたLANケーブルに一度戻すことです。古いケーブルへ戻した途端に通信が復旧するなら、新しく交換したケーブルに問題がある可能性が高くなります。
反対に旧ケーブルでも新ケーブルでもつながらないなら、ケーブルだけでなく接続先やルーター側の設定・状態も確認します。複数の変更を同時に行うと原因が分からなくなるため、1本ずつ試すことが重要です。
「LANケーブルを増やす」だけでは分岐できない点に注意
1本のLANケーブルから2台以上へ接続したい場合、単純にケーブルを二股にするだけでは通常の家庭用ネットワークとして正しく動作しません。複数台へ有線接続したい場合は、ルーターの空いているLANポートや、必要に応じてスイッチングハブを使用します。
たとえばルーターのLANポートが4つあり、そのうち1つにパソコン、1つにテレビをつなぐなら問題ありません。ポートが足りなければ、ルーターのLANポートからスイッチングハブへ1本接続し、そこから複数の機器へ分岐します。
もしLAN分配器のような製品や、特殊な二股アダプターを追加した直後から通信できなくなった場合は、それを外して確認してください。一般的なEthernet通信では、家庭用ルーターやスイッチングハブを使って分岐するのが基本です。
ルーターを2台つないだ場合は接続方法に注意する
LANケーブルを増設した際に、古いルーターやWi-Fiルーターをもう1台追加した場合は、接続方法によってネットワークが不安定になることがあります。2台ともルーターモードになっていると、二重ルーター構成になることがあります。
二重ルーターでもインターネット通信自体ができる場合はありますが、設定によってはIPアドレスの競合や接続トラブルの原因になります。追加した機器をアクセスポイントとして使いたい場合は、「AP」「BRIDGE」「ブリッジ」モードに設定することがあります。
新しいルーターを追加した直後にすべてつながらなくなったなら、まず追加したルーターを外し、元のルーター1台だけで復旧するか確認するのが安全です。
電源を切るだけでなく正しい順番で再起動する
モデムやルーターの電源を一度切っても改善しない場合、電源を入れる順番を意識して再起動すると復旧することがあります。回線機器とルーターが起動する順序によって、IPアドレス取得などがうまくいかないことがあるためです。
基本的には、まずONU・モデム・ルーターの電源をすべて切ります。数分待ってから、ONUまたはモデム→ルーター→パソコンやスマートフォンの順番で起動します。
ONUやモデムは起動完了まで数分かかることがあります。ランプが安定してからルーターの電源を入れ、さらにルーターが起動してから端末で接続を確認します。すべてを同時に電源オンにするより、順番に起動したほうが状態を切り分けやすくなります。
ONU・モデムのランプを確認する
Wi-Fiも有線LANも同時にインターネットへ出られない場合、ONUやモデム側に問題がないかランプを確認します。名称は機種によって違いますが、「電源」「光回線」「PON」「認証」「インターネット」などのランプがあります。
たとえば光回線の異常を示すランプが赤く点灯していたり、通常点灯するはずの認証ランプが消えていたりする場合は、家庭内LAN配線よりも回線側に問題がある可能性があります。
一方、ONU側は正常そうなのにルーターの「INTERNET」ランプだけ消灯・赤色になっている場合は、ONUとルーター間のLANケーブル、WANポート、ルーター設定を重点的に確認するとよいでしょう。
Wi-Fiにつながっているのに「インターネットなし」ならルーターより上流を疑う
スマートフォンで自宅Wi-FiのSSIDには接続できるものの、「インターネット接続なし」などと表示される場合があります。この状態は、スマートフォンとルーターとのWi-Fi通信自体は成立している一方で、ルーターからインターネット側へ出られていないことを意味するケースが多くあります。
同時にLAN接続のパソコンもインターネットを使えないのであれば、スマートフォン個別のWi-Fi設定ではなく、ONU・モデムとルーターの間を優先して調べるべきです。
逆に有線パソコンは正常でWi-Fiだけ使えないなら、無線機能やSSID設定が原因の可能性が高くなります。複数端末で同じ症状が出ているかどうかは、原因の切り分けに役立ちます。
パソコンをルーターへ直接つないで確認する
スイッチングハブや壁内LAN配線などを追加している場合は、一度それらを経由せずにパソコンをルーターのLANポートへ直接つなぎます。
直接接続ならネットが使える場合、ルーターから先の追加ケーブル、ハブ、壁LANなどに問題がある可能性があります。直接つないでも使えないなら、ルーターより上流を確認します。
このように、間にある機器を1つずつ外して最小構成にすると、どこで通信が止まっているかを見つけやすくなります。
ルーターのWAN・INTERNETランプが点灯しているか確認する
多くのルーターには、WANまたはINTERNETポートの通信状態を示すランプがあります。ONUやモデムとLANケーブルで正常につながっていれば、通常は点灯または点滅します。
ここが完全に消えている場合は、ONUとルーター間のケーブルが正しく挿さっていない、新しいLANケーブルが不良、WANポートではなくLANポートへ挿している、ONU側ポートに問題があるといった可能性があります。
まずケーブルを差し直し、それでも点灯しなければ旧ケーブルへ戻します。これだけで復旧するケースも少なくありません。
ルーターを初期化するのは最後にする
ネットにつながらないと、ルーターのリセットボタンを押して初期化したくなることがありますが、初期化は最初に行わないほうが安全です。初期化するとSSID、Wi-Fiパスワード、PPPoE設定、IPv6関連設定などが消える場合があります。
回線によっては、初期化後にプロバイダーから発行された接続IDやパスワードを再入力しなければインターネットへ接続できません。現在のトラブルが単なるケーブル差し間違いだった場合、初期化するとかえって復旧作業が増えてしまいます。
まずは配線、ポート、ケーブル、電源再投入、追加機器の切り離しまで試し、それでも改善せず、設定情報を再入力できる準備がある場合にのみ初期化を検討しましょう。
原因を効率よく切り分けるおすすめの順番
LANケーブル交換後にWi-Fiもパソコンもつながらない場合は、次の順番で確認すると効率的です。
- 追加したLANケーブルと機器をすべて外す
- 以前正常だった配線に戻す
- ONU・モデムからのケーブルがルーターのWAN/INTERNETポートに入っているか確認する
- すべてのLANケーブルを差し直す
- 新しいLANケーブルを以前のケーブルへ戻して試す
- ONU・モデム、ルーターのランプを確認する
- ONU・モデム→ルーターの順番で再起動する
- パソコンをルーターへ直接LAN接続して確認する
- 正常になったら追加したケーブルや機器を1つずつ戻す
- 改善しなければ回線事業者やルーターメーカーへ相談する
特に重要なのは、一度に何か所も変更しないことです。1つ変更して通信確認を繰り返せば、どのケーブルや機器が原因なのか把握しやすくなります。
それでも直らない場合は回線障害や機器故障も確認する
配線を完全に元へ戻し、以前使えていたLANケーブルでも通信できず、ONU・モデムやルーターを正しい順番で再起動しても改善しない場合は、偶然同じタイミングで回線障害が発生した可能性もあります。
スマートフォンのモバイル通信など別回線が利用できる場合は、契約している光回線やプロバイダーの障害情報を確認してください。集合住宅の場合は建物設備側の障害ということもあります。
また、WANポートだけ故障している、ACアダプターが不安定、スイッチングハブが故障しているといった機器トラブルもあります。ルーターのWANランプが旧ケーブルでもまったく点灯しない場合などは、メーカーサポートへ相談するとよいでしょう。
まとめ:LANケーブル交換直後ならまず配線を元に戻してWANポートを確認する
LANケーブルを交換・増設した直後からWi-Fiもパソコンもインターネットにつながらなくなった場合は、端末個別の不具合より、配線変更が原因である可能性を先に疑うのが効率的です。
最初に追加したLANケーブルや機器を外し、以前正常だった構成へ戻したうえで、ONU・モデムからのLANケーブルがルーターのWAN/INTERNETポートへ正しく挿さっているか確認してください。次にLANケーブルの差し直し、旧ケーブルへの交換、ONU・モデム→ルーターの順番での再起動を行います。
元の状態なら復旧する場合は、追加したケーブルや機器を1つずつ接続して原因を特定できます。元の状態でも復旧しない場合は、ONU・モデムのランプ、ルーターのWANランプ、回線障害の有無を確認し、それでも不明なら回線事業者またはルーターメーカーへ相談するのが安全です。


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