3Dプリンターで作品を作っていると、表面が砂糖菓子のようなザラザラした質感や、細かな粒状感のある仕上がりにしたい場合があります。しかし、このような質感は単純にフィラメントを変えるだけでなく、素材選びや印刷設定、後加工など複数の要素によって作られています。
一見すると特殊なフィラメントを使用しているように見える表面でも、実際には通常のフィラメントとスライサー設定の組み合わせで再現できる場合があります。
この記事では、3Dプリンターでザラメのような質感を出す方法や、適したフィラメントの種類、具体的な印刷設定のポイントについて解説します。
ザラザラした質感はフィラメントだけで決まるわけではない
3Dプリント作品の表面 texture は、使用するフィラメントだけではなく、積層方法や温度、速度などによって大きく変化します。
例えば、同じPLAフィラメントでも、ノズル温度を変えたり、積層ピッチを変更したりすることで、ツルツルした表面にも、少し荒れたマットな表面にも仕上げることができます。
そのため、ザラメのような質感を目指す場合は「特殊素材を探す」だけではなく、「どう印刷するか」も重要になります。
質感を出しやすいフィラメントの種類
表面に粒感やマットな雰囲気を出したい場合は、一般的な光沢PLAよりも特殊なフィラメントが向いています。
| フィラメント種類 | 特徴 |
|---|---|
| マットPLA | 光沢が少なく、砂や石のような落ち着いた質感になる |
| 木材入りPLA | 細かな繊維感があり自然素材のような見た目になる |
| カーボン入りPLA | マットで高級感のある表面になる |
| ラメ入りPLA | 粒状のキラキラした質感を表現できる |
特にマット系PLAは、印刷後の表面反射が少ないため、ザラザラした印象を作りやすく、フィギュアや模型制作でもよく使われます。
スライサー設定でザラメ感を強調する方法
フィラメントを変更しなくても、スライサー設定を調整することで表面の雰囲気を変えることができます。
代表的な調整ポイントは以下の通りです。
- 積層ピッチを大きくする
- 印刷速度を少し落とす
- 外壁の印刷速度を調整する
- アイロン処理を使用しない
- 表面の冷却設定を調整する
例えば、0.1mmの細かい積層よりも0.2mm〜0.28mm程度の積層にすると、積層跡が適度に残り、表面に独特の質感が生まれることがあります。
逆に、表面を滑らかにするアイロン処理などを使用すると、ザラザラ感は減少するため注意が必要です。
ファジースキン設定を使うと粒状感を作れる
スライサーソフトによっては「ファジースキン(Fuzzy Skin)」という機能があります。
ファジースキンは、モデル表面を意図的に細かく凹凸のある状態で印刷する機能で、岩、石、布、皮革のような表現に向いています。
例えば、Bambu StudioやPrusaSlicerなどではファジースキンの設定項目があり、距離や厚みを調整することでザラメのような細かな凹凸を作ることができます。
小さなフィギュアや装飾パーツでは、この設定だけでも大きく印象を変えることが可能です。
ノズルサイズや印刷条件による違い
表面の質感を重視する場合、ノズルサイズも仕上がりに影響します。
一般的な0.4mmノズルよりも0.6mmや0.8mmノズルを使うと、積層跡が目立ちやすくなり、荒々しい質感を表現しやすくなります。
例えば、岩や砂のようなオブジェクトを作る場合は、大きめのノズルと粗めの積層設定を組み合わせることで、自然な凹凸感を出せます。
印刷後の加工でザラメ風に仕上げる方法
3Dプリント後の表面加工でも質感を変えることができます。
- サーフェイサーを吹いて細かな凹凸を作る
- つや消し塗装でマット感を出す
- 砂入り塗料やテクスチャ塗料を使用する
- 軽く研磨して表面を整える
特に模型用途では、印刷後に塗装を行うことでフィラメントだけでは難しい質感表現が可能になります。
例えば、同じPLAで印刷したパーツでも、つや消し塗装をするだけで石や陶器のような雰囲気に変えることができます。
まとめ|ザラメのような質感は素材と設定の組み合わせで作れる
3Dプリンターでザラメのような表面を作る場合、専用フィラメントだけが必要というわけではありません。
マットPLAなどの質感系フィラメントを選び、ファジースキン設定や積層ピッチ、ノズルサイズを調整することで、細かな凹凸感のある仕上がりを作ることができます。
理想の質感に近づけるには、フィラメント・スライサー設定・印刷条件を少しずつ変えて試すことが重要です。作品の用途に合わせて調整することで、3Dプリンターでも市販品のような独特の質感表現が可能になります。


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